【活動報告】 3月の自己洞察瞑想療法(SIMT)を学ぶ会

【活動報告】 3月の自己洞察瞑想療法(SIMT)を学ぶ会

3月6日に予定通り、3月の自己洞察瞑想療法を学ぶ会が開催されました。

今回は、継続参加の方が3名来てくださいました。

まず、始まりの時間に、参加者の方の様子を伺いました。

そこで、瞑想や洞察を続けている中で、このような発言がありました。

「不安になったり落ち込んだりしたときに、それ自体を止めたりするのはまだまだ難しいのだが、今までだったら、不安や調子の悪さに飲み込まれてどんどん体調が悪化していき何もできなくなるところ、そういった状態の中でも、『今、自分は不安を感じているな、調子が悪くなってきているな』という風に洞察している自分が、ちょっとだけ存在できるようになってきている。まだまだうまくできていないと思うが、これでよいのだろうか」というものでした。

これは、自己洞察瞑想療法を通じて、マインドフルネスを学んでいったときの成長の過程を大変よく表している発言だと思います。

多くの場合、うつや不安障害で、体調が悪化してきたとき、不安が強くなってきた時、大きな波に飲み込まれるように、それが気持ちの100%を占めてしまい、時にパニックになったり、動けないほど落ち込んでしまったりします。

しかし、瞑想の実践や日常生活での洞察の実践を続けていって、自分の中に洞察の眼が育ってくると、こういった調子の悪いときでも、ほんのわずかですが、そんな自分を観察している自己というのが育ってきます。

もちろん、この時点では、もちろん体調の悪化は止められませんし、つらい気持ちもかわらないことが多いです。

しかしながら、今まで100%、自分自身が不安や落ち込みなどに飲み込まれていたときに比べると、たとえ5%でも、そこに自分自身を洞察している自己ができると、その5%は、不安や落ち込みに飲み込まれずにそこに存在することができます。

体調が悪いときは、2%、3%に落ちてしまうかもしれません。でも、今まで100%であったところに、少しでも冷静な自分がいられるというのは、すごいことなんですね。

その洞察している自己というものが命綱のように、自分を保つ手助けをしてくれます。つらい状況を乗り切るのを助けてくれます。

そして、自己洞察瞑想療法を続けていくということは、マインドフルネスを継続していくということは、そのような自己を少しずつ育てていくということに他なりません。

もちろん、学びが深まっていけば、その先があるのですが、まずうつや不安障害を治すという目的においては、このような自己を育てていくことがとても重要になります。自己洞察瞑想療法では、そのような自己を育てることを、自分の中の意志作用を成長させるという風に表現しています。この意志作用というのは、一般的に意志を鍛えるというような、精神力を鍛えるものとはちょっと違います。意志の作用を柔軟に使いこなすといってもいいかもしれません。

そして、それは一朝一夕には育てることはできません。植物を育てるように、少しずつ少しずつ、瞑想や洞察の実践という栄養を与えながら、自分の中に育てていくものです。

この方の発言からは、大変熱心に実践をされて、着実に身に着けていっていることがよくわかります。

今回の学ぶ会の中では、うつや不安障害が、どのように発症し、その時、我々の脳や体にどのような事が起こっているか、そして、自己洞察瞑想療法では、そこにどのようにアプローチして、改善を目指すかということを図を用いて説明しました。

決して、気の持ちようだけでは治らないこと、そして、気持ちが落ち込んだり、不安になってしまうのは、自分が弱いからという理由ではないことが分かっていただけたかと思います。

たとえ調子が悪くても、仕事や家事ができなくても、自己洞察瞑想療法には、かならずやれることがあります。どのような状況の人でも、改善するための道があると私は信じています。

 

少しでもご興味のあるかは、説明会だけでもまずは結構ですので、一度、ご参加ください。

4月は、ちょっと変則的になってしまうのですが、4日の水曜日の午後に開催予定です。

またこちらのページでも改めて広報したいと思っていますので、ご参考にしていください。

(文:中安)

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