【活動報告】8月の自己洞察瞑想療法を学ぶ会

【活動報告】8月の自己洞察瞑想療法を学ぶ会

昨日、8月の自己洞察瞑想療法を学ぶ会が予定通り開催されました。

開場確保の関係で、7月末の開催となりました。

今回は、説明会への参加者はいませんでしたが、継続セッションへ4名の方が来られました。

まずは、いつもの通り、5分間ほどの瞑想を行い心を静めるとともに、普段の基本的自己洞察の見直しを行ってもらいました。

その後、参加者それぞれのセッションである、セッション2、5、9について順番に説明していきました。

セッション2は、自分が「今ここ」にいるか、いないかというチェックの他に、意識が「今ここ」から離れてしまっている時、自動思考が働いたりしている時、また「今ここ」であっても、自分の中で様々な現象が生じたときに、どのような反応が生じたのか「名前を付けていく」という作業を行います。
 プリントを用いて、それを行う時のコツなどについて説明していきました。

 そして、基本的自己洞察のトレーニングでは、注意作用を一点に集中させるだけでなく、それを動かしていくことで、注意作用を動かしていく練習をしていきます。その時、身体感覚に注意を向けると、その後、行動時自己洞察で行う名前付けや自分の感情の変化に気が付くのがやりやすくなるという、私自身の経験があるため、身体感覚に注意を向け動かしていくという「ボディスキャン」を説明し、5分ほど皆で行ってみました。

 

 その後、セッション5の説明に入りました。セッション5は、前半1~4セッションのまとめのようなセッションです。それまで、学んだ基本的な技術を、組み合わせたり、状況や自分の体調に合わせて使いこなしていくことが大切です。それを通して、洞察する癖や気づきに対する感覚を自分の身体にしみこませていきます。

 例えば、感情や思考の連鎖を観察しようと思っても、自分の体調が悪かったり、強く感情が揺さぶられるようなことが起こったときには、観察しようとしても、逆に感情の波に飲み込まれ体調をさらに悪化させてしまうことがあります。自分のそのような兆候に気が付いたら、無理に連鎖まで観察せず、今できること、具体的に言うと初期のセッションで習ったような、呼吸法や呼吸に意識を向ける方法で、その感情や体調の波が去っていくまで乗り切るのが大切です。

 そういう経験を積んでいくことで、自分の体調が変化したり、波が出てきたりしたときにも、そこでおぼれずにセルフレスキューができるようになってきます。そうしたトレーンニングを積むことがセッション6以降をすすめていく上で大変大切なことになってきます。

 また、やる気がないときの実践の続け方についても説明しました。

 「やる気がない、やる気がでない」ということは誰にでも起こることです。実は、この「やる気がでない」ということで、苦しむのは、「何とかして変わりたい」「マインドフルネスを頑張って身に着けたい!」という気持ちがつよい人ほど、大きく出てしまうものなのです。つまり、頑張り屋さん、まじめな方ほど、この気持ちに苦しむことになります。

 というのは、「変わりたい」という気持ちの裏には、かならず「変わりたくない」という気持ちもセットで存在するからです。光と影のように、それは切り離せないもので、「変わりたい」という気持ちがつよければ強いほど、よりその影の部分も強くなってしまいます。

 人間の意識は、本来、「同じもの、一定の物、変わらないもの、集まること」を求めます。その感覚を「快」として、捉えます。それは本能なのです。

その一方で、自然界には、「常に変化する、バラバラになる」といった法則があります。そのため、その変わることを「不快=苦」として捉えてしまいます。

 つまり、「変わりたくない」「マインドフルネスをやりたくない」という気持ちが存在するのは、自然なことで、それをゼロにすることなどできません。しかし、それが100%ということでもなく、マインドフルネスの本を買ったり、このサイトを読んでいるということは、「変わっていきたい」と願っている自分も必ずいるはずなのです。

 「やる気」「やりたくない」これは常に同時に存在するので、あとは割合の問題です。そしてその割合は常に変化していきます。疲れていて80%程度くらい「やりたくない」が支配しているときは、残り20%でできることをやってみればいいのです。それは呼吸法だけかもしれません。それをやってみているうちに、その割合は変化していくかもしれません。思ったより長くできて、「やる気がないわりにできたな」という日もあれば、やはり疲れが買ってしまって、5分程度でやめてしまう日があるかもしれません。でも、5分はやったことになります。その次の日には、その日のバランスでできることをやっていけばいいのです。

 そうすると、自然と、何らかの形で毎日続けていくことができます。

 そういったやる気がないときのコツを、他、生命とは揺らぎの中で存在しているといった話も加えて説明しました。

 

 休憩をはさみセッション9の説明を行いました。

 セッション9になると、一通りの洞察の技術は身に着け、自分の課題にも取り組み始めています。

 そこで、今自分たちが行っているのは、どのような自己のレベルに対して行っているのか、自己をさらに深めていくとどのような体験や感覚がまっているのかということを、西田哲学の自己に基づいて説明していきました。

 叡智的自己、叡智的直観というのは、言葉にするとわかりにくいですが、自分の中の本音をほぼ働かせずに、行動をしていける状態です。例え働いたとしても、瞬間的にそれを手放し、今、やるべきこと、必要なことに意識を向けて自然に行動できていける状態です。

 そのレベルになってくると、頭で考えるより、自然と行動や選択、判断が行える場面が出てきます。

 そうすると、初めて自分の中に本当に自分がやりたいと思えていること、大切にしていること、自分にとっても喜びというのがわかってきます。これは、頭で「これがやりたい」という風に考えるものではなく、「これをしてしまう」「これを選んでしまう」といった感覚です。

 しかしながら、これを絶対的な正解だ!、自分が正しい、と確信してこだわってしまうと、それは独善的な価値となっていき、自らの自己を深めるのではなく、貶めることとなっていきます。

 大切なのは、そんな風にでてくることも、常に一度手放していく実践を続けていくことです。SIMTにはまださらに深い自己があります。

 そういったことを説明していきました。このレベルになると、言葉ではなく、体験として実感し、感じることでしか理解できないレベルなのですが、なんとか自分の言葉を使って説明してみました。

 少人数ながらも、今回も充実した会になったと思います。

 

 9月の会は、開場確保の関係で、8月29日水曜日になる予定です。残念ながら十分な時間を確保できなかったため、説明会のセッションは行わず、継続セッションの講座のみとなります。

 10月以降は、また説明会のセッションも行う予定ですので、ちょっとでも興味のある方はぜひご参加ください。

 またHP上で、広報していきたいと思います。

 以上、今月の活動報告でした。(中安)

 

 

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