【活動報告】2月の自己洞察瞑想療法(SIMT)を学ぶ会

【活動報告】2月の自己洞察瞑想療法(SIMT)を学ぶ会

2月の自己洞察瞑想療法(SIMT)を学ぶ会の活動報告です。

昨日、予定通り2月の自己洞察瞑想療法(SIMT)を学ぶ会が開催されました。
今回の参加者は初めての方1名を含む5名の参加者がありました。

まず、会の注意事項や進め方を説明し、基本的な呼吸の観察などの瞑想法のやり方を簡単に説明し、心を静めるための5分間の瞑想を行いました。

その後、レクチャーに入りました。
セッション1については、基本的洞察法に加え、行動時自己洞察法の説明を行いました。また包んで映すというのは、今後の10セッション、またはその後の実践を通して、磨き上げていくものなので、セッション1で理解できなくても全く問題ないものであることを説明しました。
セッション2では、心理現象に名前を付けるについて、セッション3では、1次感情~3次感情を区別するという課題についてのコツを、セッション4では、価値・願いの持ち方の注意点、そして連鎖分析の課題を実践する上での注意点を、図を描きながら説明していきました。

どのレベルにおいても大切なのは、思考のレベルで行うのではなく、あくまでチェックだけ、確認だけを行い、すぐに「今、ここ」に意識を戻していくということです。

自分の中でどのような現象が起こったか、そして、その現象の時にどのような反応がほかに起こっているか、先行する刺激は?後続する結果は?といったことはすべて、「こんな原因があるんじゃないか?」とか、「この現象はどのようにしておこるのか」といったように考えを深めて考察するのではなく、一瞬だけチェックをし、確認作業だけを行うことが大切です。
なので、うまくできないときは、「今の現象は、思考かな?」とか「よくわからないな」というのも大丈夫です。怒りや不安の感情を大きく膨らめて調子を崩してしまった時も、「今回の不安が起こったのは、私があの時にこんなことを言ってしまったら・・・」とか考えたり評価したりすることはできるだけせずに、「感情が大きくなり、身体にこういった反応がでた!」とチェックだけしたら、あとは「今、ここ」の意識に戻します。それが難しいときは、呼吸法を行いながら「今ここ」に意識を戻していくようにします。

 

ここで、受講者の方から「チェックだけで、大丈夫なんですか?」という質問がありました。皆さん、体調を改善させたり、自分の問題などを解決したいという思いで来ています。そんなときに、チェックだけの作業で大丈夫なのかという事だと思います。

これは大変良い質問だと思います。だれもが間違いやすい、そして、マインドフルネス、SIMTを学んでいく上でぶつかりやすい課題です。
一見すると、チェックのみをしても、何もかわらないんじゃないかと思いますよね。

でも、答えは「チェックのみ、確認のみを行い、その時の感情や思考などは、可能な限り早めに手放していくことが大切です」となります。

なぜなら、うつや不安障害、そして、体調を崩している時というのは、むしろこの思考の部分を膨らませがちになっており、それが体調を崩す原因になっていることが多いからです。

体調を崩す場合の多くは「今、ここ」の些細な出来事をきっかけに、勝手に過去や未来のことについて、ほぼ無意識的に思考や想像を膨らませ、その結果として感情や身体反応を暴走させて、コントロール不能に陥っているケースが多いです。
この思考や想像をポジティブなものに変えれば、その結果も良くなるように思いがちですが、そもそも、それができないから体調不良に陥っているわけです。

うつや不安障害で日常生活が困難になっているようなレベルでは、脳の構造、回路が変化してしまっていることが知られています。なので、日常生活のまったく関係ないような出来事や刺激などでも、不安や焦燥、落ち込みなどの感情の部位が、反応を起こしやすくなっています。

例えるなら、台所でガスのスイッチを付けたら、電気が点灯してしまうような状態と同じです。配線自体がおかしくなっているわけです。そのような状態で、いくらガスのスイッチを付けようと、あれこれ他のスイッチを押しまくっても、より場を混乱させるだけですよね。

このような体調不良の状態のときに、いくらポジティブな想像を膨らませようとしても、状態を悪化させるだけになります。なので、思考や現象の名前付けも、連鎖の分析も、あくまで「チェックだけ」です。一瞬チェックをして、わからないときは、わからないままでも構いません。すぐに「今、ここ」に意識を戻していきます。
それでも、こういったチェックを続けていくと、繰り返されるような思考や感情のパターンは、自然と意識に浮かびあがってきます。心理現象の名前付けも、うまくいかないと思っても、その場でできる名前を付けてみることをトライしていってください。それを続けていくと、しっくりこないものは自然と「こうしたらい」という方向性が見えてきます。
最初からうまくやろうとか、「これが正しいのか間違いなのか」とかを考えず、できるだけトライしてみることが大切です。なぜなら、そのような評価を捨てていくことがマインドフルネスだからです。
じゃあ「評価や判断はしないのか」という事になりますが、実生活の中では、決断を求められることもありますし、その都度、判断をしていかなくちゃならないことばかりです。上記のように、評価や判断を行わずに捨てていこうと思っても、瞬間的に必要な判断はされていきます。さらに、もし判断や評価をするのに必要だと思われるときは、十分に思考をしてかまいません。大切なのは、「今、ここ」に無関係な思考や妄想を膨らませる傾向が人間にはあり、特に体調が悪いときにはその傾向が強いので、そういったものには早めに気が付いて、深入りしないようにしていこうということです。
それを繰り返していくうちに、自分の中で繰り返し行われている行動や感情のパターンや思考の癖がわかってきます。また、そういったものにとらわれずに、そこに置いておく習慣を身に着けていくことで、起こってくる様々なことにマインドフルネス的に対処するという態度が身についてくるのです。

今回の会では、他にも「自分が行ってうまくいったときや、それでよい感情が生まれたときも、チェックのみで置いていったほうが良いのか?その必要があるのか?」といった質問や、「様々な気づきがあるという事だが、その中には過去のトラウマ的なものが出てくることもあるのか」など、様々な良い質問がありました。

一つ一つにつき、私自身の考えを述べさせていただきました。

たくさんの質問がでるのは、それだけ真摯に自分の現状、そして、自己洞察瞑想法に取り組んでいる結果だと思います。質問をしていただけることに心から感謝いたします。

 

なかなか活動報告だけでは書ききれないことがたくさんあります。ご興味のある方はぜひご参加ください!

 

次回は、3月6日火曜日の開催を予定しています。
その後は、今のところ4月4日水曜日、5月1日火曜日の開催を予定しています。
またHP上で広報をしていこうと思いますので、ぜひお気軽にご参加ください。

 

ではでは、以上で2月の自己洞察瞑想療法(SIMT)を学ぶ会の活動報告を終わります。(中安)

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