【活動報告】 1月の自己洞察瞑想療法(SIMT) 勉強会

【活動報告】 1月の自己洞察瞑想療法(SIMT) 勉強会

1月の自己洞察瞑想療法(SIMT)勉強会 活動報告

昨日、予定通り勉強会が開催されました。
参加者は4名。うち2名が初回の参加の方でした。

前回同様、初回の方もいたため、簡単な主催者自己紹介、そして、会の趣旨や注意事項を説明しました。

その後、心を落ち着けるための5分ほどの瞑想を行いました。

レクチャーは、まず、初回参加者の方のために、セッション1と2をまとめて、ポイントを絞って説明していきました。

初回参加の方には、参加希望の連絡があった時点で、テキストを各自で入手していただき、それに沿ってできる範囲で、セッション1をやってきてもらうようにお話してあります。しかしながら、本を読むだけでは、実践が難しい部分もあり、初回のセッションでは1と2の解説をしています。

セッション1では、基本的な洞察実践を中心に、うつや不安障害を改善させるための生活のポイントなどが書かれています。うつや不安障害に良いとされる基本的な生活習慣について簡単に説明し、その後、基本的な自己洞察の説明に移っていきました。

普通の呼吸にただ意識を向ける呼吸法と自律神経を整える効果を加えたゆっくり呼吸法について説明しました。

呼吸法には二つの役割があります。一般的に言われている呼吸法と同様に、呼吸を整えることで、自律神経の調整を促す効果。これは、呼気と副交感神経は関しているため、呼吸を整え、特に呼気を気持ちゆっくりと行うことで、うつや不安障害で過剰になっている交感神経を落ち着かせ、リラックスするときに働く副交感神経を優位にさせる効果があります。

そして、もう一つがマインドフルネスの手法としての役割で、「今、ここ」に意識を向ける役割です。呼吸は、否が応でも「今、ここ」と結びついています。今の状態をストレートに反映し、決して止まることはなく、常に「今、ここ」で行われていることです。

そこに注意作用を使って意識的に注意を向けることで、思考や妄想の世界にさまよい出そうとする意識を「今、ここ」に引き戻すことができます。
人間が日常生活を行っている中で、この思考や妄想にさまよう意識の状態は、かなりの時間を占めるといわれていますが、うつや不安障害では、特にその傾向が強いといえます。また、さまよう意識の状態で行われる思考や妄想はネガティブな内容であることが多いため、自分の感情や体調を悪化させ、うつや不安障害を長引かせ治ることを難しくさせる原因になっていることが多いです。
呼吸に意識的に注意を向けることで、そのように意識が妄想や思考にさまよい出すのをある程度抑制することができます。
そのため、実践初期にこのスキルを十分に練習していくことはとても大切です。

その後、日常生活で行う傾注観察法の説明を行い、セッション2の説明へと入っていきました。

セッション2では、常に「今、ここ」という時間が流れていること、過去や未来も妄想の産物であるということを図解しながら説明し、次に「心理現象に名前を付ける」という課題についての説明を行いました。
基本的自己洞察法で行う呼吸法では、「今、ここ」に意識を向けることを説明したが、「今ここ」でないことに気が付いた時に自分に起こっている現象に、一つ一つ名前を付けて、どのような事が起こっているかを知ることで、自分が起こしやすい特徴やパターンをしることができます。
そして、名前を付けることで、思考や妄想などに一区切りをつけ、「今、ここ」に意識を戻すことも楽になっていきます。
その名前付けのポイントやコツになる部分を説明しました。

その後、注意の分配やボディスキャンと呼んでいる自分の身体の感覚に意識を向けていく方法を簡単に説明しました。

ここで休憩をはさみ、後半はセッション3の内容について説明を行いました。

セッション3では、心理現象の中でも特に「感情」について注目していき、さらに「感情」と「身体反応や症状」との関連を学んでいきます。
ここで、まず大切なのは、感情は決して悪いものではなくセンサーとしての役割を持っているということです。

うつや不安障害では、この感情にはかなり振り回されます。

自分の意志と反して、気分が落ち込んだり、不安になったり、焦りを感じたり、そして、その都度、様々な身体反応や症状が起こります。
そのため、ついついそういった感情を嫌悪したり、抑え込もうとしたくなるのですが、それでは症状が悪化することはあっても、改善することはなかなか難しいのが現実です。

なぜなら、感情はセンサーだからです。

センサーの役割は、僕らに何らかの危険であったり、状況をしらせてくれる信号であることです。
例えば、ガス探知機が働いたときに、その警報音がうるさいからと言って、その警報音を止めてしまえば、そのうちにガス中毒で死んでしまう日がくるでしょう。
たとえうるさく感じたとしても、警報機はセンサーとしての役割をただ全うしているだけで、そこに良いも悪いもありません。そのセンサーの働きがどのような時に起こっているということについての理解が必要です。

感情にも同じような役割があります。

つらいとき、悲しいとき、不安な時、そういった時は、自分の身体がどのような状況にあるのか、自分の意識がどのような状態にあるのかを教えてくれるサインを発しているにすぎません。
だから、そのような感情を無視して、「もっとがんばらなくちゃ」などの意識を優先させれば、身体が悲鳴をあげるか、心が壊れるかどちらかの結果になります。
そのため、この「感情」がどのように起こるのか、どんなものが起こってくるのか、といったことを知るのはとても重要なことです。

そのため、自己洞察瞑想法では、決して「感情」を抑え込んだり、コントロールすることを目標には置きません。あくまで、「感情」がどのように起こってくるのかを知ることを目標にしています。そこで、セッション3では、感情を1次~3次にわけて捉えることを練習していきます。
プリントを用いて、1次~3次の感情の見分け方のコツを説明しました。

その後、質疑応答を行ったうえで、その日やった瞑想の実践を5分程度でしたが、行いました。
セッション2に取り組む方は、心理現象に名前を付ける課題を、セッション3に取り組む方は、瞑想中に生じる感情に注目して行うようアドバイスしました。

以上が今回の勉強会の活動概要です。

次回は、2月6日火曜日に開催予定です。またこちらのHPやFacebookにて告知しますので、ご興味のある方はお気軽にご連絡の上、ご参加ください。

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